『街場のメディア論』(内田樹)

最近、LivedoorBLOGOShttp://blogos.livedoor.com/)を読んでいます。人気のあるブログの記事を、ニュースのようにまとめて見せてくれるサイト。こちらの中づりで知りました。

こういうサイト、すごく便利! 何もないところから、好みのブログを探して広げていくのって、それなりに手間暇かかりますよね。


それで、BLOGOSを読んでいると、あらためて「ブログってテレビよりもずっと、過激な意見を書いている人が多くて、面白い」。その意見が妥当かどうかはともかく、相当とがった意見ばかり。テレビや新聞は、マスというだけあって、「誰もがそれほど不快に思わない意見」しか言わない。イコール、つまらない……。中には「このブログの記事は私の意見と正反対」ということも当然多々あり、それは読んでいてもあまり楽しくないけど、そういう記事があるのもいい。

テレビが毒気を抜いた意見しか言わないことについては、『街場のメディア論(内田樹)』でも書かれていました。

街場のメディア論 (光文社新書)

街場のメディア論 (光文社新書)

この本も、有名な404 blog not foundの紹介記事があって、それで知りました。dankogaiさんは内田樹たつるですよ、いつきじゃないです)という著者を褒めてるのか、ケチをつけたいのか分かりませんが、ま、たぶん、その両方なのかもしれませんが。

急がば回れ」、「損して得取れ」、「システムSが正常であるとき、Sは不完全である」…著者ほど背理的語りがうまい論者を現代日本のメディア上に見つけるのは難しい。著者の人気の源泉がそこにある。

うむうむ、です。『街場のメディア論』は、完全に同意はできない部分もあったけど、「書物を贈り物」と考えるなんて目から鱗でとても面白かった。

本文にある、「人間のみに備わった、このどのようなものを自分宛ての贈り物だと勘違いできる能力ではないのか。」という一文もそれなりに理解できたつもり。ただ、これに対して、404 blog not foundで「その勘違いを実現してしまう能力、なのですよ。」と書かれているのはうまく理解できないです。どういう意味なんだろう??? もう少し丁寧に書いてくれたらいいんだけど……。


そういえば、ひとつ前の記事で書いたのですが、テレビ局という手厚く守られた既得権益側にいながら、「(眉間にしわを寄せ、いかにも深刻そうないい人ぶった表情で)公務員のコストカットを行わなければなりませんね……」と言うおなじみのコメント。その精神構造が理解できなかったのですが、少なくとも私だけがそう思っていたのではないらしく、嬉しかったです。

『街場のメディア論』の第二講の「マスメディアの嘘と演技」に詳しいです。つまり、「知ってるくせに知らないふりをして、イノセントに驚愕してみせる手法(p.56)」ということで、あの「眉根寄せ」もその一形態だと思いました。これ、多くの人が漠然と気づいていると思うけど、こうしてずばっと指摘してくれると嬉しいなあ。