『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』(マーカス バッキンガム)

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

この本のメッセージは、「成功するためには、あなたの強みを活かしなさい。」ということ。
そして、自分の「強み」を見つけるためのオンラインテスト(ストレングス・ファインダー)のIDがついているのが特徴。

多くの企業は、逆のことをしている。その人の「強み」を伸ばすより、「弱み」を克服させるために、時間と資金をかけがち。従業員間の技術や能力の差を埋めるために研修プログラムを用意している企業や、より多くの技能をまんべんなく身につけた従業員が昇進および昇給する、という体系を持っている企業がそう。

しかし、「強み」ではない分野を補強しようとする試みは、大変な労力がかかるし、それをもともと「強み」としている人にはかなわない。つまり……。

1. 人の才能は一人ひとり独自のものであり、(生涯ほとんど変わらない)永続的なものである。
2. 成長の可能性を最も多く秘めているのは、一人ひとりが一番の強みとして持っている分野である。(p.12)

だから「成功するためには、自分の強みを活かして、弱みと折り合いをつける」ことが大事になってくる。「成功」というのは、社会の役に立つ、地位や報酬がついてくる、自分自身に満足できる人生を歩む、など広い意味あいで。「活かす」とは、強みを活かすための技術を取得する、(時には多大な)努力を含んでいる。しかし、技術の取得は「才能」をもたらしてはくれない。


突然思い出すのは、少年漫画では、個人の「才能」が、目に見える分かりやすい形をとって具現化するということ。 「人の○○○は一人ひとり独自のものであり、(生涯変わらない)永続的なものである。」―――○○○を「念能力」とか「卍解」と言い換えてみれば、当てはまることが分かる。なぜなら、たぶん、物語は現実の世界のメタファーだから……。(正確には後者は斬魄刀の力だけど。でもそれを持っていることが登場人物の個性になってる。)

それぞれの○○○には、レベルの強弱はあるけど、その人だけの特異な点が何かはある。どんな○○○が発現するかは、登場人物たちの「個性」または「隠された真の個性」と関係がある。それはその人だけの才能、一生、時間をかけて磨いていくべきもの、あまり気にいらなくても大事にせざるを得ない、自分の「核」。


「強み」(厳密には違うかもしれないが、イコール「才能」)は、どうやって見分けるのかといえば、これもまたごく単純だ。
・「切望」 天賦の才は幼いころに表面に表れやすい。
・「修得の速さ」 切望というシグナルがなくても、新たな技術の修得の速さでそれと分かることがある。
・「満足感」 何かを成し遂げたときに気分がよければ、それは自分の才能を活かした仕事をしていたということ。

ただ、人生でこれを見つけるのはそれほど単純なことではない。怖れからくる非生産的な(あるいは反社会的な)行動を強みと勘違いしてしまったり、高い報酬のために自らの強みとはかけ離れた職種を選んでしまうかもしれない。忙しい日々の中で、時折立ち止まって自分のこころの声に静かに耳を傾けるのは、言うほど簡単なことではない。


この本には、ストレングス・ファインダーというテストを受ける番号が一つ付いてくる。これは、34の「強み」の中から、優位を占める5つの「強み」を探すテストで、オンラインで受けることができるというもの。普段よくとる行動パターンを選択していくと、強みになりうる潜在能力を推測してくれるわけ。ちなみに番号は一回使うと終わりなので、古本の場合は使えないかもしれない。

34の強み(『さあ、才能に目覚めよう』)

ちなみに私の優位性は、順に「戦略性」「未来志向」「自己確信」「内省」「最上志向」になった(だから、マインドマップでも、そこだけ詳しく記入)。確かに、当てはまっているところはある。ただ、今はそれほど強み、発揮してないかも?